スクールを運営する企業の卒業記念パーティは交際費か?


小西公認会計士事務所コラムvol.3
【スクールを運営する企業の卒業記念パーティは交際費か?】

今回は交際費についてとりあげたいと思います。

交際費は、冗費(無駄な支出)を抑制し企業の資本を充実させることや資本力のある企業が多額の交際費を利用して公正な取引を阻害する恐れがあることなどを理由に一定の制限が設けられています。無制限には会社の経費(損金)とはならないのです(このあたりの詳細はまた別の回にでも)。

では交際費となる要件とはなんでしょうか。この点、いくつか考え方があるのですが、最近の判例では3要件説というのが採用されています。

その3要件とは、

①「支出の相手方」が事業に関係ある者等で あり、②「支出の目的」が事業関係者等との間の親睦の度を密にして取引関係の円 滑な進行を図ることであるとともに、③「行為の形態」が接待、供応、慰安、贈答 その他これらに類する行為であること、です。

そして、支出の目的が接待等のためであるか否かについては、当該支出の動機、金額、態様、効果等の具体的事情を総合的に判断して決すべきであり、また、接待等に該当する行為とは、一般的にみて、相手方の快楽追求欲、金銭や物品の所有欲などを満足させる行為をいうと解される

とされています。快楽追求欲ってなかなかすごい表現ですね(笑)。
この3つを満たさないと交際費とは言えないということです。

平成20年の判例で、スクール事業を運営する会社が、スクールの卒業生向けに「卒業祝賀パーティ」として支出した昼食代が交際費にあたるかどうか争われた事例がありました。

この判例では上記の要件に当てはめ、交際費には該当しないとされ、納税者が勝訴しました。具体的には、①「支出の相手方」は、卒業生ですが、卒業後はそのスクールを開業できることから事業に関係ある者等と認定されました。しかし、②「支出の目的」については、卒業式という区切りの行事であることや時間が長時間におよぶために昼食が出されていること、昼食が社会通念上供与されると認められる通常の昼食の範囲であることなどを理由に、「親睦の度を密にして取引関係の円 滑な進行を図ること」が目的であるとは判断されませんでした。また、③「行為の形態」についても、社会通念上の通常の昼食であることや、お酒が乾杯のシャンパン1杯のみだったこと等を理由に、接待等(=快楽追求欲、金銭や物品の所有欲などを満足させる行為)に該当するとは判断されませんでした。

交際費との線引きが微妙な経費に関しては、以上の要件にあてはめ慎重に検討しましょう。

また、交際費に似た概念に会議費があります。
会議費とは、「会議に関連して、茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用」です。これに該当する場合、つまり会議のために通常必要となる範囲の飲食費は制限のある交際費ではなく、そのまま損金となる会議費となります。

では、「通常要する費用」とはどれくらいでしょうか。
この点、租税特別措置法関係通達61の4(1)-21で、「会議に際して社内又は通常会議を行う場所において通常供与される昼食の程度を超えない飲食物等の接待に要する費用は、原則として措置法令第37条の5第2項第2号に規定する「会議に関連して、茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用」に該当するものとする」と例示されています。

つまり、通常会議の際に出るランチ程度であれば、OKということです。

なお、社外の人との1人あたり5,000円以下の飲食であれば交際費から除外するという規定がありますが、これは会議費には適用されません。会議としての実態があり、「会議に通常要する費用」として認められるのであれば、1人あたり5,000円超でも会議費となり、交際費にはなりません。こちら間違えやすいのでご注意を。

公認会計士・税理士 小西

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公認会計士・税理士 小西慎太郎

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