税務調査の調査官の講評を鵜呑みにしない


前回まで、税務調査の実際の流れについてご説明しましたが、今回は、現場での調査が終わった後の調査官の講評について少しお話ししたいと思います。

臨場調査が終了すると、調査の総括として修正すべき事項等を調査官が説明します。この調査官の講評は、口頭の場合も紙面の場合もあります。講評は、あくまで担当者意見であり、納得できない事項については調査官に反論することができます。

調査官の指摘事項には、重要度の違いがあり、①否認が確定している事項、②内容は否認すべきであるが、金額確定のためにさらに調査が必要な事項、③否認すべきではないかと考えているが確信がない事項などが含まれています。経営者の方には、どの修正事項が反論の余地があるか見分けることが難しいかもしれませんが、経験豊富な税理士に相談すれば大体わかります。調査官の言われるままに納得しないまま修正申告を提出してしまうと、提出後はその内容について不服申立はできませんので、講評を鵜呑みにしないように注意しましょう。なお、講評は納税者本人の同意がある場合には、税務代理人にすることができます。

原則として平成25年1月1日より、調査が終了し、その時点において更生決定等をすべきと認められない場合(特に修正事項がない場合、調査打ち切りの場合)は、書面による終了通知が出されることになりました。もう調査が終わったのか、まだ問い合わせがあるのかあやふやで落ち着かない日々を過ごすことがなくなったのは、好ましい変更だと思います。また、講評の際に、修正申告をすると不服申立はできないが更生の請求は可能であるという説明は口頭及び書面で行われ、書面の受け取りに署名・押印が求められます。この説明がない場合は手続き上違法になり課税処分の取消事由になる可能性もあります。なお、修正申告後の更生の請求はできますが、調査時に提出できなかった新たな資料が見つかった等の場合以外は「更生すべき理由がない旨の通知」を行われる可能性が高いです。

さて、調査官は修正申告を勧奨してきますが、どうしても納得できず修正申告しない場合はどうなるのでしょうか。その場合は、税務署が職権により更正処分で修正します。調査が長引くというようなことはないので、もしそのように脅されたりした場合には、法令違反の発言である旨指摘すべきでしょう。調査官が更正処分ではなく修正申告を望むのは、前述のとおり、修正申告は不服申立ができないためです。

ただし、法人税の更生を受けた場合に注意しなければならないのが、地方税の修正申告です。修正申告を提出する場合、あるいは、税務署から更生処分を受ける場合には、通常、その追加納税額のほかに、加算税(たとえば、過少申告加算税であれば、原則追加納税額の10%)と延滞税が税務署から課税されます。地方税に関しては、何もしなくても自動的に更正されて通知が来ますが、税務署が法人税を更正した日から1ヵ月以内に地方税の修正申告をした場合には過少申告加算税は課税されないため、地方税の修正申告は速やかに行いましょう。

引当金や評価等、見解により計上金額に幅がある会計・税務処理が存在します。また、複雑な取引の場合は、税務調査で指摘されないように事前に税務署に相談することもあるでしょう。しかし、税務署の指導どおり申告したにもかかわらず、講評で否認されそうになっている場合、どうなるのでしょうか。その場合は、税務署に相談に行ったときの資料や日時、応接した職員の氏名等具体的な事実を証明すれば、正当な理由と認められ、過少申告加算税は免除されます。もし免除されなかった場合には、加算税の賦課のみについて異議申立を行うこともできます。税務署に相談した場合には、相談の事実が証明できるように職員の氏名等確認しておきましょう。

税務調査の講評について、今回はご説明しました。次回は、追徴課税を受けたときに支払わなければならない罰則金、加算税や延滞税といった附帯税をご説明したいと思います。

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