税務調査の結果に納得できない場合 租税訴訟手続


税務調査の結果にどうしても納得がいかない場合がありますよね。更正処分の内容に不服がある場合には、租税訴訟手続により不服審査機関および裁判所に訴えることができます。今回以降は、納税者救済制度である租税訴訟手続を簡単にご説明します。

租税訴訟手続とは、異議申立・審査請求・訴訟の総称です。

異議申立・・・「税務署長などが更正・決定や差押えなどの処分をした場合に、その処分に不服がある納税者が税務署長などに対してその処分の取消しや変更を求める手続

審査請求・・・「異議決定を経た後の処分になお不服がある場合等に、その処分の取消し等を求めて国税不服審判所長に対して申し立てる手続」

租税訴訟手続のうち、異議申立と審査請求は行政手続で、再調査は税務署や国税局が行います。この2つを併せて不服申立手続といい、概要は国税不服審判所のホームページにあります(具体的な手続きは次回以降ご説明します)。一方、税務訴訟は司法手続で、裁判所で審理されますが、不服申立手続を経ないで訴訟提起することはできません。

さて、ここで気になるのが納税者の勝率ですが、どの程度の割合で認容されているのでしょうか。平成26年度の異議申立の処理件数は2,745件であり、納税者の主張が受け入れられた件数は256件(一部認容189件、全部認容67件)で、その割合は9.3%(一部認容6.9%、全部認容2.4%)となっています。また、平成26年度の審査請求の処理件数は2,980件、納税者の主張が受け入れられた件数は239件(一部認容122件、全部認容117件)で、その割合は8.0%(一部認容4.1%、全部認容3.9%)となっています。さらに、平成26年度の訴訟終結件数は、不服申立に比べてぐっと減って280件で、このうち、国側が一部敗訴したもの及び全部敗訴したものは19件(一部敗訴6件、全部敗訴13件)で、その割合は6.8%(一部敗訴2.1%、全部敗訴4.7%)となっています。不服申立手続は無料で利用できるため、調査時の心情的トラブルにより勝つ可能性の低い場合にも申立されていることを考えると、本当に調査官の主張に問題がある場合の勝率はさらに高まると考えられます。

租税訴訟手続は、以下について検討したうえで実施するか否か決定しましょう。

① 勝率

まず、信頼できる税理士に相談して、勝率があるかどうか確認しましょう。過去の類似の判例等が参考になりますが、過去の判断とは異なる場合でも勝てる見込みがあれば手続きを進めましょう。

② 手続コストと勝った場合の還付税額

手続コストが還付税額を上回る場合には手続をする意味がないため、最終的に利益となることを確認しましょう。異議申立と審査請求は無料で実施できますが、訴訟手続は訴訟費用がかかります。また、いずれにせよ、外部アドバイザーを雇う場合には多少の報酬が発生します。税理士との契約にもよりますが、たとえば、還付税額の○%というような報酬の場合も多いため、一度相談してみても損はないかもしれません。ちなみに、追徴税を納付したうえで争訟手続で勝った場合には、年率4%程度の市中金利よりも高い還付加算金つきで還付してもらえます。

次回以降に、具体的な手続きの流れを説明したいと思います。

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