社会保険料を節約する方法


社会保険料は、一般的に、被保険者である労働者と事業主が折半して納めています。社会保険料は年々増加し、労働者・事業主ともに相当な負担になっているかと思います(平成27年9月分からの福岡県の健康保険・厚生年金保険の保険料額表はこちら)。今回は、社会保険料の負担を少しでも軽くする方法を簡単にご説明します。

①4月~6月に支給する残業代を軽減させる

社会保険料は、原則、4月~6月に支給される報酬の月平均をもとに、その年の9月から決定されるため、業務の見直し等を行い、3か月間の残業代を抑えることで社会保険料を節約できます。また、給与の締日によって、3月~5月分もしくは4月~6月分が標準報酬の計算基礎になるため、繁忙期や閑散期が明確な会社は締日を見直すことで社会保険料が少し節約できる可能性があります。

②定期代を1か月→6か月に変更する

通勤交通費も標準報酬の計算基礎に含まれるため、定期代を毎月支給している場合には、4月から6月をはずして半年ごとに支給する方法があります。

③昇給月を変更する

給与を4月に改定すると、社会保険料の算定に大きな影響を与えますが、昇給月を7月にすると、社会保険料の上昇を来年に遅らせることができます。

④賞与を月給に割り振る

月給が605,000円以上の役員等がいる場合は、これ以上月給の支給額が増加しても社会保険料は変わらないため、賞与支給額を月給に割り振ることより、社会保険料の節約ができます。

⑤賞与の支給を年1回にする

賞与の社会保険料の上限額は、厚生年金保険で150万円(健康保険は540万円)であるため、年間合計150万円以上の賞与を支給している場合には、年1回で支給すると社会保険料が節約できます。

⑥社員の入退社の日を見直す

社会保険の資格の喪失日は退職日の翌日となるため、退職日を月末の前日にすると社会保険の喪失日はその月の末日となり、社会保険料は前月までの負担になります。また、月末に入社するとその月から社会保険料が発生するため、月初1日のほうが社会保険料負担が1か月分軽くなります。

⑦福利厚生を利用する

優秀な人材を獲得し、定着させるために福利厚生を充実させましょう。社会保険料の節約にもなり、給料の額面は抑えても実質的な報酬を増加させて従業員の満足を高めることができます。具体的には、慶弔見舞金や資格取得のためのスクール受講料補助、社員旅行、書籍購入補助等が挙げられます。また、住宅手当を借り上げ社宅とすることで標準報酬の算定基礎から除くことができます。

⑧就業規則に休職期間の設定を追加する

休職中でも社会保険料は発生するため、休職期間の保険料の取り扱いについて、就業規則等に明確に定める必要があります。たとえば、休職期間は勤続年数5年以下の場合6ヶ月、5年超の場合は1年と勤続年数に応じて定めておくことで、長期間全額立替払いをして回収できないというような事態を避けることができます。

⑨採用時に試用期間を設ける

健康保険・厚生年金保険は、「2ヶ月以内の期間を定めて使用される者」には適用されません。新規雇用時に、まず2ヶ月以内の有期雇用契約を締結して勤務態度・意欲等を確認したのちに、「期間の定めのない雇用契約」を締結するか判断する方法があります。

社会保険料の節約は、会社にとっては経費削減になりますが、従業員にとっては、手取り額が増えるものの、将来受け取る年金の金額が減る等のデメリットも発生します。社会保険料の節約を実際に検討する際には、従業員のモチベーションを下げないように十分に配慮して実施することが非常に大切です。

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